広島県の漁業

漁業には「沿岸漁業」、「沖合漁業」、「遠洋漁業」の3種類がある。広島県では瀬戸内海が主な漁場となるので、「沿岸漁業」にあたります。一口に沿岸漁業といっても、漁法、操業日数、漁獲物などはさまざまです。

広島県の漁場

沿岸漁業の漁場は、基本的に日帰りできる場所である。 「目の前の海でとる」という、古くからあるもっとも一般的な漁法だ。養殖業や素潜り漁などもここに含まれる。

操業日数

日帰りが基本だが、早朝に出航して昼頃戻ってくる漁や、夕方出て翌朝帰ってくる漁、あるいは昼間に行う漁など、操業時間帯はさまざま。魚に合わせて働くのである。

漁船

ほとんどの沿岸漁業者は個人経営で、従業員は家族という場合が多い。船に乗るのは1~2名であることが多く、外洋にも出ないため、船は小さい。

漁獲物

とれる魚の種類の多さは、遠洋や沖合の比ではない。貝もとれるしエビもカニもタイもイカもアジも、ほとんどすべての魚がターゲットだ。

地域の産業として

日本の沿岸漁業は「地域独自の地場産業」として発展してきた歴史がある。つまり沿岸漁業の漁師になるということは、その土地の住民となって地域の産業を引き継ぐ、ということなのである。

広島県で主に行っている漁法はこちら

小型底引き網漁
2本のひき網がついた大きな網を水深数十メートルの海底まで入れ、船を移動させながらひきまわす。船の大きさは5トン程度。
刺網漁
魚の群れが進みそうな方向を見極め、網を壁の様に仕掛け、そこに通過する群れや魚類を絡ませてとる漁。網に魚が刺さったような状態になるので、「刺網」と呼ぶ。
小型定置網漁
網から垣網(かきあみ)という長い網が伸びている。海を泳いできた魚はこれにぶつかり、主網(しゅあみ)の中に入り込んでしまうという仕掛け。 この主網の魚をとる。
ごち網漁
漁法は潮流、魚の習性を利用し網の両端につけた長いひき網によって目的物を網の前面に移動させ、すくい上げるような形で採捕する漁法。底びき網とは本質的に異なります。
養殖漁業(かき養殖)
かき養殖の工程は採苗、抑制、本垂下(育成)、収穫・出荷からなっており、1年間を通じて作業があります。 水揚げ等の海上作業、採苗準備等の陸上作業があります。養殖方法は筏式で波が穏やかな湾内を中心に行なわれます。
養殖漁業(魚類養殖)
湾内に設置した「いけす」のなかの魚などを適切な「餌やり」や「品質管理」、「環境づくり」などで育てる。 コスト削減、納期管理に加え、できるだけ高く売るための知恵とアイデアが試される。
その他(たこ壷漁)
狭い穴や隙間に隠れるタコの用心深い習性を利用した漁法。壷を海の底に仕掛け、壷に入ったタコを揚げる。
その他(一本釣り)
手釣りは糸と針でタイ、カレイ、ヒラメなどを狙う。